2011年12月13日(火)
米国は「日本化」するのか(2)
ウォール・ストリート・ジャーナル
米国の「日本化」を指摘する声もある
日本とのアナロジー(類似性)を見いだそうとする傾向があることは分かる。(バブル経済崩壊後の)日本でも問題への対応が先延ばしになった。しかし、日米の対応を比較すれば、類似性よりも違いの方が大きいと思う。
なぜかと言えば、米経済は、良く言えば、柔軟性がもっとある。雇用の流動性が高く、企業が利益が出ない事業をやめ、収益の上がる事業に移行する傾向がより強い。そのことで経済が活力と柔軟性を持つことができ、問題を解決する速度が速まる。
悪く言えば、情け容赦ないということだ。一夜にして数万人がレイオフ(一時解雇)される一方で、一夜にして新しい産業が生まれ数万人の雇用が生まれる。
米国ではこのような資本主義の「創造的破壊」がより容易く、速く進む。このことは経済成長 の足かせになるよりも促進する効果が大きいだろう。バイタリティーと成長がキーワードだ。米国にはいまでもその強みがある。
日本の「失われた20年」は米国では起きないということか
起きないだろう。ただ、米国でも問題の先延ばしが起きている。8月の債務上限問題、そして(11月の財政赤字削減に向けた)超党派委員会がまったく合意できなかったことは非常識とさえいえる。代償は大きい。
それでも、米国の動きは日本よりも速度がある。先に挙げた要素以外にも米国の強みとなっているのが移民だ。経済のバイタリティーに貢献している。
米国のデレバレッジ(債務圧縮)は、住宅価格の下落による消費者の債務問題が大きいが、この過程はどのくらい続くと思うか
株価の(本格的な)上昇や、住宅価格や被雇用者報酬の上昇には相当な時間がかかるだろう。株価は上下を繰り返すだろうが、住宅価格が回復するにはある程度の時間がかかる。
デレバレッジには10年かかるという予想もある
そうはならないと考えている。10年後には明白に、今よりも経済状況がよくなっているだろう。メディケア(高齢者向け公的医療制度)や年金は維持できると国民が感じることができるよう、ワシントンが改革を進めることが前提だが。その前提が崩れた場合は、10年かかるかもしれないし、それ以上かもしれない。
政府支給(エンタイトルメント)の改革は不可避で、それができないと、どの経済部門においても信頼感を取り戻すことができない。しかし、選挙が終わるまで進展はないのではないか。
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ジョン・バッシー: ウォール・ストリート・ジャーナルのエグゼクティブ・ビジネス・エディター兼アシスタント・マネジング・エディター。1983年に入社。シカゴ、デトロイトなどで取� ��し、東京支局長、ワシントン支局長を務めた。現在、週間コラム「The Business」を執筆している。
ふ〜ん、米国人は米国が日本のようにはならないと思っているのでしょうね。ただねぇ、こっち(日本人)こそ、米国のような債務まみれの国じゃなくて良かったと思っていますがね。まぁ、頑張ってください。
作成者 fxdondon : 2011年12月13日(火) 13:00 [ コメント : 0]
米国は「日本化」するのか(1)
ウォール・ストリート・ジャーナル
米国政府債務をめぐる議会交渉の行き詰まりや、それに伴う国債の初格下げに直面し、先進国の呻吟が続く。米国の経営者は経済の先行きをどうみているのか、バブル崩壊後の「失われた20年」に悩む日本に似てきたとの指摘もある米国の「日本化」は起きるのか、ウォール・ストリート・ジャーナルのエグゼクティブ・ビジネス・エディター、ジョン・バッシーに聞いた。
米企業経営者は2012年の世界経済の見通しをどうみているか
慎重さを伴った楽観、というところが現時点の大方の経営者の見方だろう。例えば、11月の失業率8.6%は事前予測よりも改善した。しかし、見方を変えれば、失業率の低下は労働力人口の減少によるもので、人々が仕事を探すことをあきらめたことを示して いる。
不透明感も非常に強く、企業センチメントの下押し圧力となっている。それが企業が相当量のキャッシュを貯蔵する一因だ。個人の行動と同じで、先行きの不透明さから企業は出費に慎重になり、事業拡大や新規雇用をしようとしない。
不透明感の原因となっているものは何か。まず第一に欧州で起きている問題。欧州全体の債務・財政問題への決定的で熟考された大きなプランがなく、ユーロ通貨を脅かし、米企業の欧州でのビジネスを危険にさらしており、ひいては世界経済への影響も懸念される。
中央銀行の協調策(11月30日発表)も楽観、悲観の両方の見方ができ、これらもまた不透明感につながっている。中央銀行による協調は「"親"の監督が行き届いた」結果だと見ることもできる一方で、事態があまりにも 悪化したので、中央銀行がそろって介入しなくてはならなくなった、という悲観的な見方も同じくらい説得力がある。
さらに、ワシントンで議論されている米政府の債務の問題もある。個人や企業の税率は変わるのか、補助金や税控除は廃止されるのか、従業員の医療保険費用の負担は変更されるのか。「オバマケア」(オバマが推し進めた医療保険改革)は元に戻されるのかそうでないのか、修正されるのか。これらすべてが論議の対象になっている。 エネルギー政策も流動的な状況だ。カナダから(米南部の製油所がある)米メキシコ湾岸地帯まで原油を輸送する「キーストーンXL」パイプライン計画が1年間延期されることになった。このようなことも企業が投資や事業拡大、新規雇用に慎重になる理由となっている。
欧 州問題が金融システムに与える影響はどうみられているか
統一通貨としてのユーロが存続できるかどうかに加え、米国の金融機関も欧州の国債を保有しており、問題がこじれれば金融システムへの影響もある。過去の傾向からみても銀行が問題をかかえれば経済活動が低迷するが、それに加えて債務問題の解決策はどちらかといえば経済活動の下押し圧力となる。解決策は政府支出のカットにつながるからだ。域外諸国にとっては欧州への輸出が問題となるが、中国はそれを強く懸念している。日本も同様だと思う。
作成者 fxdondon : 2011年12月13日(火) 12:55 [ コメント : 0]
オバマの弱音
オバマは米国が力強い経済成長を取り戻すのは、大統領任期2期以上か必要だろうと、大統領選挙が近づいてきたので自分を擁護する発言を行った。
オバマは、厳しい状況になるのかを甘く見てはこなかったとし、これは長期的なプロジェクトだと常に考えてきたと説明した。米国の失業率が2012年大統領選挙の時期までに8%に低下する可能性はあるが、経済について予測することは大統領私の仕事ではないと述べたという。
ふ〜ん、だったら失業率8%なんて数字を口にするのもおかしな話。「終わった経済」をわからぬ者は、いつまでも狼人間ですね
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